【モノクロプリント②】 自家プリントにおいての様々なプリント方法・引き伸ばし機の使い方 覆い焼き・焼き込み スプリットグレードプリント法


春はもうすぐそこに。

なんて思っていたら、こないだ外出した際に、ふと桜を目にしましてね。

その桜、もう散り始めておりました。

無論、まだチャンスはある!そう!!

今年こそ桜を撮りに行こうと意気込んでいる、けーすみ(@ksumisan)です、どうも。

世の中暖かくなり始めて、暗室作業には追い風が吹いてきているわけですけれども。

今回はモノクロネガプリントについてでございます。

それでは早速。


だいたいの基本的な流れや単諧調と多諧調の違い等は、以前のモノクロネガプリントの記事で書いていますので、そちらを見て頂けるとありがたいです。

asahipentaxkx,smctakumar50mmf1.4,fujiacros100で撮影
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モノクロネガプリントの代表的なテクニックというか創意工夫的なプリント法として、覆い焼きと焼き込みがあるのはご存知の方も多いのではないかと思います。

かくいう私も、私自身のモノクロネガに関する現像・プリントのバイブルともいえる、こちらの本で勉強させて頂いたのですけれども。

今回はそれプラス、スプリットグレードプリント法というプリント方式にも触れていきたいと思います。

この方法も多くの方が紹介されてますし、私自身もその情報を参考にさせて頂いてる部分もあります。

なので、まぁなんとなく私の解釈でご紹介できればなと考えている次第です。


覆い焼きと焼き込み

モノクロネガフィルムをそのまま一発でプリントしてしまうと、背景はいい感じだけど、肝心の人物やメインの被写体が黒く潰れてしまった。

もしくはメインの被写体だけ白くとんでしまった。

という話はよくある話で。

覆い焼き

覆い焼きは、部分的に黒く潰れてしまうのを防ぐもしくは思い描く白を残したいのに有効な手法かと思います。

例えばこちらのコマ。

スキャン画像はこのような感じで出てきました。

全体的にまぁいい感じのトーンでスキャンされているのかなと。

しかし、実際にプリントしてみると...

フィルター : 2号 絞り : f8 露光時間 : 30秒

一発で何もせずにプリントしてみました。

中央の林の部分が黒く潰れてしまっています。

覆い焼きは、黒く潰れてほしくない部分又は白は白で残したい部分だけを覆い露光。

でしたから、ここでいうと中央の林部分だけ手を使って覆い焼き。

フィルター : 1 1/2号 絞り : f8 露光時間  : 中央の林部分 8秒 中央の林部分以外 +17秒

中央の林部分を手で隠し17秒で露光。

その後、全体を8秒で露光しました。

この順番は前後しても大丈夫かと。

モノクロプリント時のセーフライトのありがたみ。

恐れ入ります。

林の上部が若干白んでしまっています。

これは自分の意図してないところで少々広範囲を覆い過ぎていたというのと、手をそこに留め過ぎていたことが原因だと思われます。

たぶん、いやきっと!

もう少しこまめに手を動かしておく必要があったようです。

以後、気を付けま~すの点ということで。

要は、部分的に露光しすぎるのを防ぐ効果があるのかと。

加えて、覆い焼きの場合、自分はこういったものを適当に自作しプリントしております。

焼き込み

焼き込みはその逆で、部分的にもう少し露光したいなって時に有効な手法かなと。

こちらも普通に手を使ったりしています。

隠す箇所が多数あったり、広範囲に及ぶ場合など、どうしようもない時はそれに合わせて自作しております。

まぁなので、覆い焼き・焼き込みは、結果的には似たような点が多いのかなと思います。

部分的に多く露光したり、露光を少なくしたり、それを積み重ねて1枚の写真を仕上げていくという。


スプリットグレードプリント法

あくまで今回はモノクロネガプリントの範疇でのお話とさせて頂きます。

プリントしていると、1枚の写真において白くとんだり黒く潰れたり、もしくは軟調にしすぎてソフトというか柔らかすぎる写真に仕上がったり、硬調にしすぎて白黒極端な写真ができあがったりといった様々な写真が出てくるかと思います。

前述した覆い焼きや焼き込みで対処できる点も多々あるかとは思います。

それで、もちろんそういったのを狙ってやられてる方もおられるかと思いますし、それはそれでよいと思います。

結構、そういった写真も好きですし。

ただ、今回は1枚の写真を見て全体的に白、グレイ、黒を比較的バランスのとれた形でプリントしてみようという事でこの方法を紹介させて頂きます。

準備するもの

必要なものとしてモノクロ多諧調印画紙と多諧調フィルターが必要です。

モノクロ多諧調印画紙

このプリント方法で使うのは、モノクロ多諧調印画紙だというのは絶対です!必ず!!

メーカーによってマルチグレードだったりバリグレードだったり呼び名は様々です。

ただ、間違いなく多諧調の方をチョイスしてください。

FBかRCかはお任せします。

それと、ものによって印画紙の感度も変わってきますので、その点は要確認でお願いします。

多諧調フィルター

私が使用している多諧調フィルター(Fuji VG filter)

左:00号 右:5号 今回スプリットグレードプリント法で使用していくのはこの2つ

多諧調フィルターは00号から1/2刻みで5号まであります。

00号は軟調に仕上がり、数字が大きくなるにつれ少しずつ硬調さが増していき、5号ともなると結構コントラストの効いた写真に仕上がります。

今回使用するのは00号と5号のフィルターのみです。

ちなみに、00号から4号くらいまでは露光時間は同じでよいとメーカーのウェブサイト、印画紙付属の説明書ありますが、それ以上は露光時間を倍にする必要があったりします。

そこは使用されるモノクロ多諧調印画紙とフィルターの説明書に従ってプリントするようお願いします。

今回、私が使用していくモノクロ多諧調印画紙と多諧調フィルターの関係性で言うと、結果的に4号以上は露光時間を倍にしなければならないと記載がありましたのでそれに従って。

やり方

モノクロネガフィルムをライトボックスにあてて撮った画像です。

この黒い部分は要は引き伸ばし機から照射される光を通しにくい部分になるのでプリント上では白く仕上がります。

逆に、白いというか現像後のモノクロネガフィルムそのものの色で表されている部分は、引き伸ばし機から照射する光を通しやすいので結果的にプリント上で黒く仕上がる部分ということになります。

スキャン画像

プリント上で1番白くなる部分を00号フィルターで、どれくらいの白もしくはグレイにするか鑑みて露光時間を決める。

5号フィルターでも同様に、1番黒くなる部分をどれくらいの黒もしくはグレイにするか決め露光時間を設定。

つまり、1枚のモノクロ多諧調印画紙に違う号数のフィルター(00号と5号)で2回露光し、あとの部分は成り行きでプリントしちゃおうという、なんともアバウトながら理にかなったというかそんなプリント方法となっております。

なんか早口でざっくりした説明ですみません。

私もやるまでは半信半疑だったのですが、実際やってみたら眼から鱗で、全体的に程よいトーンでプリントできました。

フィルター : 2号 絞り : f11 露光時間  : 1.2秒

フィルターと露光時間 : 00号(1.4秒) 5号(0.8秒) 絞り : f11

フィルター2号の一発プリントの方も、もう少し露光時間を延ばしてあげるなど、突き詰めてプリントしていけばいい感じになりそう。

と、あくまである程度の露光時間の把握が目的でしたので、今回はこのまま。

改善の余地は残したままで。

ちなみに、モノクロネガフィルムをこのスプリットグレードプリント法でプリントする際、写真をより大きく引き伸ばしたいと思った時も、以前紹介した記事「面積が倍になると露光時間もおおむね倍になる」というデータが使えます。

こちらの記事で書いています。

Canon p /Canon 50mm f1.8 lmount /Kodak ultramax 400
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単純に、そのコマをプリントした00号フィルターと5号フィルター、両方の露光時間に倍率を×してあげればいいだけなので。

今回、大カビネでのプリントでいい感じにプリントできたので、小四切に引き伸ばしてみました。

6×6(1:1)での場合

大カビネ➡小四切 倍率 3.86441.....(下の表より)

00号(1.4秒)×倍率 3.86441..... ≒5.41017.....

5号(0.8秒)×倍率 3.86441..... ≒3.09152.....

おおよその露光時間が算出できました。

小数点以下は今回は切り捨てました。

大カビネ フィルターと露光時間 : 00号(1.4秒) 5号(0.8秒) 絞り : f11

小四切 フィルターと露光時間 : 00号(5秒) 5号(3秒) 絞り : f11

私がモノクロネガプリントでよく使用する印画紙は、大カビネ・六切・小四切なので、再度私なりにモノクロネガプリント用としてフィルムサイズごとに算出しました。

参考までに。

35mmのフィルム(2:3)

  照射範囲(縦×横) 面積 倍率
大カビネ(127mm×178mm) 117×175.5 20533.5 大カビネ➡六切 1.94090.....
六切(203mm×254mm) 163×244.5 39853.5 大カビネ➡小四切 2.83505.....
小四切(240mm×305mm) 197×295.5 58213.5 六切➡小四切 1.46068.....

6×6(1:1)

  照射範囲(縦×横) 面積 倍率
大カビネ(127mm×178mm) 117×117 13689 大カビネ➡六切 2.72108.....
六切(203mm×254mm) 193×193 37249 大カビネ➡小四切 3.86441.....
小四切(240mm×305mm) 230×230 52900 六切➡小四切 1.42017.....

6×7(4:5)

  照射範囲(縦×横) 面積 倍率
大カビネ(127mm×178mm) 117×146.25 17111.25 大カビネ➡六切 2.78347.....
六切(203mm×254mm) 195.2×244 47628.8 大カビネ➡小四切 4.06866.....
小四切(240mm×305mm) 236×295 69620 六切➡小四切 1.46172.....

まとめ

正方形の写真は前回投稿に引き続き、MAMIYA C330S/MAMIYA SEKOR S 80mmf2.8で撮影した写真です。

いや~改めて本当によいカメラだと気づかされましたね。

はい。

フィルムはFuji neopan acros100。

覆い焼きした35mmの写真はAsahi pentax spf/smc takumar 50mmf1.4/oriental newseagull 100。

引き伸ばし機はLucky 90M-S。

引き伸ばしレンズはEL NIKKOR 80mmf5.6。

中判のモノクロプリントは、この組み合わせが私のオーソドックススタイルになっております。

いろいろごちゃごちゃ書いてきましたが、最終的には自分がどんな風にプリントを仕上げたいかという点に尽きると思います。

すでにご存知で実践されてる方もいれば、そうでない方もおられますし、自分は己が貫くプリント方法があるんです!といった方ももちろんいらっしゃると思います。

まぁあくまでこんな方法もあるよー!て話なので。

結果、最初にプリントした一発プリントの写真が1番いいんじゃない?て時も多々あったりなかったりするのはここだけの話。

今回紹介した手法が、プリントする際の選択肢の1つにでもなれば幸いかと思います。

イルフォード ILFORD MULTIGRADE RC DELUXE GLOSSY(光沢) 5x7インチ 100枚入
イルフォード ILFORD MULTIGRADE RC DELUXE GLOSSY(光沢) 8x10インチ 100枚入 [六切 /100枚 /光沢]


 

 

  • この記事を書いた人

けーすみ

フィルムカメラ・フィルム写真が好きで、自宅に暗室を作りフィルム現像からプリントまでやっています。 カメラ・レンズや自宅暗室などの作例をメインに載せています。 とにかく「撮ってみて、焼いてみて。」の試行錯誤の日々です。 epilogとは「詩歌・演劇などの終わりの部分のこと。」を表す言葉で、一種の終活のように私自身がこれまで撮った写真や書いた詩、感じたモノや触れたコトに対する思いを、ブログとして綴っていこうと考えてepilog.というタイトルにしました。 私のやってきたこと・今やっていること・これからやっていくことが読者の方に少しでも有益となれば幸いです。

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