【モノクロプリント③】 自宅暗室プリントにおける後処理と手直し 写真用漂白液を用いたハイライトブリーチ・スポッティングによる写真の修整


モノクロプリント終了後、乾燥まで終わったプリントをよくよく見てみると、もう少しコントラストほしかったなって時あったりしますよね?

もしくは、小さな埃や塵なんかで露光できてなかった箇所があったりしますよね?

そう。

そういうこと、あるんです。

今回はそういった時のちょっとした対処法としまして、オーソドックスなセオリー、基本的なやり方を書いていこうと思います。


ハイライトブリーチ

モノクロプリントやっていたら、軟調になりすぎてねむい写真となってしまった。

もう少しコントラストほしかったな!

って時、あるかと思います。

私は、たくさんあります。

そんな時に使える手法です。

以前からどうにかできないかなと思ってたんです。

そして、こちらのページに辿り着いたんです。

目に留まったんです。

ハイライトブリーチ。

簡単にいいますと、、、

「カラーネガ現像等で用いる漂白液の薬品を使用してプリントのハイライト部分をしっかり出す。」

私なりの勝手な解釈をいたしますと、だいたいこういうことだろうということなんですが、私としましては、あわよくば黒くつぶれた部分も何とかならないものかと画策しておるわけです。

そして、今回は実際にカラーネガ現像用として販売されている漂白液を使い、ハイライトブリーチを行っていきます。

とりあえず漂白液原液を少したらしてみました。

漂白液が通った部分は色が徐々に薄くなり、最終的にはセピアのような色になってしまいました。

色が薄くなるタイミングを見極めるのがポイントのようです。

なので、使用液の作り方として濃ゆ過ぎたら変化が速いので対応しきれずブリーチし過ぎて原液をたらした時のようにセピアみたいな色味になってしまう。

薄過ぎるといつまで経っても変化なしなんてことも。

対応できるなら濃くても構わないと思います。

それならその方がいいので。

私的には、もう少しゆっくりの方がいいかな。

まぁやりやすい使用液の濃度に関しては各々やりやすい塩梅を探して頂いて。

こちらがいつもカラーネガ現像で使っている漂白液。

そして、いろいろ試行錯誤致しまして、私自身の使用液はというと、、、

漂白液 1 : 水 11

の割合で落ち着いたところであります。

なんとも微妙な割合ですが。笑

一応、自家調合のやり方もあるようです。

    • フェリシアン化カリウム  10g

 

    • 臭化カリウム       5g

 

    水           1リットル

この処方は、かなり濃い状態だと思って結構です。 ほとんどの場合、これを薄めて使用する事になると思います。ボクの場合は、この処方を5倍に薄めた(1:4希釈)くらいが軽いハイライトブリーチには使い易いです。1リットルに2gと1gという事になりますね。
多くの場合、フェリシアン化カリウムは「赤血塩」という名前で売られています。

[引用元:tokyo-photo.net

こちらの自家調合の方法も近く試してみようと思っております。

作業する時、部屋は明るくても大丈夫です。

なので、あとはプリントの様子を見ながら己がよい頃合いで取り出して水洗。

可能であれば、漂白後はすぐに水洗した方がいいかもしれません。

漂白液をきっている間にも反応は続いてますから。

水洗後、納得いかなければ再度漂白液へ。

よいかなと思ったら定着。

Before

After

若干抜けすぎた感は否めません。

ですが、案外黒い部分も抜けるというのがわかりました。

漂白し過ぎてしまった例

Before

After

先ほどの画像から、黒も多少なり抜けると分かったので、黒い部分がいい感じになるのを待っていたら、結果こうなりました。

途中からいくとこまでいってみようと。

グレーというか白に近い部分を鑑みた方がよさそうです。

あと、浸し過ぎにはご用心。笑

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スポッティング

しっかり除去・確認したのに、埃や塵が付着してそのままプリントしてしまった。

その部分だけ露光されず、埃や塵の形が残ったままのプリントが出来上がってしまった。

なんてことありますよね。

仕上がったプリントをみて、がっくしとほほ。

なんてことありますよね。

そういう時に、行うのがスポッティングという方法です。

簡単にいうと、専用の塗料のようなものを露光されなかった部分にのせていく。

といった感じ。

今回使用していくのは、Marshall'sのもの。

だいぶ前に購入しましたが、まだだいぶ残っています。

黒はもちろんのこと、茶色と青っぽいのもあります。

温黒調と冷黒調のためでしょうか。

モノクロとはいっても、白、黒、グレーのみで構成されているわけではないんだよ、写真って。

そんな声が聞こえてきました。笑

筆はまぁ普通のもの。

その部分のサイズによって異なりますが、私の場合は細い筆を使ってちょんちょんと。

虫眼鏡やルーペなど、人それぞれ、適材適所、時と場合に応じて。

やり方としては、、、

塗料と水を準備。

塗料と水を混ぜ合わせ、色を調整。

印画紙の余白部分につけてみたら確認しやすいかもしれません。

実際に色をのせていく。

淡々と書きましたが、案外難しい。

けど、案外上手くいく。

無心になれます。笑

塗料は本当に少しでいい。

乾いても水を付けたら使えます。

RCペーパーの場合

Before

After

中央少し左部分に塵か何かついていたのか未露光の部分があります。

白い点になってるのですが、それを先ほどの塗料と筆を用いて処理していきます。

FBペーパーの場合

Before

After

こちらも中央付近に小さな白い点がっぽちぽつと。

色を合わせちょんちょんしていきます。

中央左の三日月のようなものは、プリント時に折れ曲がってできたものですのでお気になさらずに。

どちらもそれなりに補修できました。

若干、ペーパーの種類によって馴染み方が違うようです。

RCペーパーは塗料が表面にのっているイメージ。

FBペーパーは塗料が印画紙に吸い込れているイメージ。

あくまで私の感覚ですが、、、

まぁどちらにしても、すでに露光されている部分に塗料がつくと明らかに濃くなりますのでご注意を。

昔々の失敗プリントで練習しましたが、何度もやらかしたのはここだけの話。


まとめ

ハイライトブリーチとスポッティング。

プリント後の手直しをやってきたわけですけれども。

共通していえるのは、、、

「臆病なくらいがちょうどいい。」

ということ。

ハイライトブリーチは納得するまで漂白と水洗を繰り返すことができるので、少しずつ少しずつ思い描くプリントに近づけていってください。

前述しましたが、浸し過ぎにはご注意を。

それと、最後の定着は忘れずに。

スポッティングも同様。

慎重に事を進めて頂ければ問題ないかと思われます。

やり過ぎるよりは早い段階で良しとした方が、いいのかなと。

ここで1つことわざを。

「過ぎたるは及ばざるが如し」

昔、よく言われたな~!

当時はよく怒られたものです。

それでもやり過ぎてたけど!!

今となって身に染みます。笑

まぁ可能であればスポッティングをしなくていいように、それまでの工程でしっかりと準備をしてプリントするのがベストなのかな。

そんなことわかってるんだけど、なかなかね。

それと、準備というか対応策としてなのですが、そもそも引き伸ばし機を変えるというのも一つの手なのかな、と思います。

私はモノクロプリントにはLucky 90M-Sを使用していて、これが集散光式の引き伸ばし機なんですが、散光式のLucky QE69に比べると埃や塵が目立つ気がします。

なので、散光式の引き伸ばし機でプリントしてみるというのも1つの手かもしれません。

今回の撮影機材も正方形の写真はMAMIYA C330S/MAMIYA SEKOR S 80mmf2.8/Fuji neopan acros100。

35mmの写真はAsahi pentax spf/smc takumar 50mmf1.4/Fuji neopan acros100。

印画紙は全てILFORDのものを使っています。

ということで、プリント後のちょっとした処理でよりよいプリントにしよう~!!笑

イルフォード ILFORD MULTIGRADE RC DELUXE GLOSSY(光沢) 5x7インチ 100枚入



 

 

  • この記事を書いた人

けーすみ

フィルムカメラ・フィルム写真が好きで、自宅に暗室を作りフィルム現像からプリントまでやっています。 カメラ・レンズや自宅暗室などの作例をメインに載せています。 とにかく「撮ってみて、焼いてみて。」の試行錯誤の日々です。 epilogとは「詩歌・演劇などの終わりの部分のこと。」を表す言葉で、一種の終活のように私自身がこれまで撮った写真や書いた詩、感じたモノや触れたコトに対する思いを、ブログとして綴っていこうと考えてepilog.というタイトルにしました。 私のやってきたこと・今やっていること・これからやっていくことが読者の方に少しでも有益となれば幸いです。

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