【モノクロネガ現像①】現像機材の紹介と薬品の作り方 コダック D-76でacros100を現像・作例

どうも。けーすみ(@ksumisan)です。

3年前のこないだは友人の結婚式でした。

出席のため東京の方へ。

いや~彼らしい、いい結婚式でした。

遅れてはいけませんので、早めに現地に到着。

空いた時間に少し写真を撮りに。

桜。いい季節です。

さてさて、私。

どちらかというと、白黒はっきりさせる方ではなく、グレーなまま時間が過ぎるのを楽しむ優柔不断を盾にするタイプです。(笑)

ということで、今回はモノクロネガフィルムの現像と作例を。


私が暗室を作り1番最初に手を付けたのが、このモノクロネガフィルムの現像とプリントです。

理由はやはり、町の写真屋さんにモノクロネガフィルムを現像に出しプリントまでしてもらうとなると、結構な納期とそれなりの費用がかかります。

写真を始めた頃に比べるとだいぶ現像代も上がり、納期もかかるようになった気がします。

そこで、「これだったら現像からプリントまで自分でやった方が、早いし安いのでは?」

と、こう考えたわけですね~。

下の記事に主観ですがだらだらと書いています。興味がある方は見て頂けたらありがたいです。

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場所や廃液処理の問題など自宅暗室を作るにあたり、乗り越えなければならない壁は多々あります。

しかし、メリットが大いにあるのも確かです。モノクロ方面は特に。

これから、又はこれからもフィルムで写真を撮ろうと考えておられるのであれば、自宅暗室を作りモノクロだけでも現像・プリントできるといいかもしれませんね。

ということで、今回は以前やったモノクロネガフィルムの現像を改めて紐解いていきたいと思います。

使用するもの

現像するフィルム

今となってはもう販売終了してしまったFUJIFILM neopan acros 100。

販売終了するまで、35mm判も120フィルムもこのフィルムが常用でした。

その頃はまだ安価でしたし(確か36枚撮り・3本パックで¥1760くらい)、写りもきれいときたら使わない手はないでしょう!!

感度100ということで、必要に応じてはKodak tri-x 400やKodak t-max 400を使ったりしましたが、基本的にはこのフィルムを使っていました。

その後、後継品としてFUJIFILM neopan acros 100Ⅱが発売されました。

発売されたんですが、まだ使ったことはありません。

以前の安いイメージがあるもので、「少し手が出ないかな~」と思っていましたが、これを機に1度使ってみようかな。

現像タンクとリール

LPLの現像タンクとリール。タンクもリールもステンレス製です。蓋はプラスチック。液量は435ml。

使っていくうちにタンクと蓋の隙間から水が漏れるようになったので、応急処置的にビニールテープを巻いてみました。

とりあえずは、これで大丈夫なようです。

当時はモノクロだけ現像していたのでステンレス製のこれでもよかったのですが、カラー方面に目を向けた時「これでは厳しいのでは?」と感じたのでPaterson ユニバーサルタンク&リールを入手に至った次第であります。

パターソン PATERSON スーパーシステム4現像タンク ユニバーサルタンクアンドリール PTP115

フィルムの巻き方

明るいところでやると難しくないですが、暗闇でやると結構難儀します。

当初はフィルムを1本潰して練習しました。目をつむったり、夜な夜な押し入れに入りかりかりと。何回も何回も。

巻けたけどフィルムが曲がってしまった!なんてこともありましたね~。懐かしき日々。

  • 35mm判

2つのとがった部分に35mm判フィルムの穴を通し固定します。

こんな感じ。

 

  • 120フィルム

2つの手のような部分で挟みます。

こんな感じ。

 

私の写真だけではいまいちわかりにくいので、YouTubeにこれらのリールにフィルムを巻く動画がありましたので載せておきます。参考までに。

とりあえず、完成!!

使用する薬品

この現像タンクの容量は435ml。それに合わせて薬品を作っていきます。

現像液➡Kodak D-76

1番有名というか基本的な現像液だと思います。モノクロネガフィルムの現像液といえば「これ!」的な。

たくさんの現像薬品がある中で、私が1番に思い浮かぶのがこの薬品。

とにかく、この薬品を使った現像は押さえておきたいと思い、Kodak D-76を最初のモノクロネガフィルム現像薬品に選んだわけですね~。

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溶解方法(1L用)

① 52℃の水800mLに中身(粉末)が容器の底に沈まないようによく攪拌しながら、少量ずつ加え、完全に溶解するまで攪拌を続けます。

② 水を加えて全量が1Lになるようにします。

③ 溶液が均一になるまで攪拌を続けます。

引用元:コダックアラリス

できた1Lを原液とし、それを原液 1:水 1の割合で希釈。

もちろん原液でも現像できますが、コストやらなんやら考えて希釈して使っています。

  • 原液 220ml + 水 220ml=440ml

※希釈しやすいように、ここだけ440mlにしています。

どうしても水を使うので、早めに使い切ることをおすすめします。

停止液➡富士酢酸

文字通り現像の進行を停止する役割と、現像液を定着液に持ち込まないためのワンクッションと解釈しております。

  • 富士酢酸 15ml + 水 420ml=435ml
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定着液➡スーパーフジフィックスL

硬膜と非硬膜の定着液があります。

現像し始めの頃は、勝手な解釈で「定着時に膜を張って現像したフィルムを守ってくれるのだから、絶対硬膜がいい!」と思ってたんです。

だから、膜を張った分水洗に時間がかかるのだと。この水洗時間というのが、結構な時間かかります。

水洗促進剤を使わない場合は、おおよそ20~30分くらい。

それで、次に出てくる富士QWを使用し、水洗時間を短縮するのだと。

でも、この硬膜が必要なのって特別な時だけで、今となってはさほど必要性を感じなくなりました。

水洗時間が短くなる方がメリットとして大きい気がします。なので、今は非硬膜の定着液を使っています。

定着浴の時間の目安としては、各フィルム・薬品の疲労度によって多少の違いがあるかもしれませんが、私は5~10分くらいを目安にしています。

定着液の処理能力のチェック方法と処理時間の決め方はこちらの記事に書いています。

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フィルム処理の場合は スーパーフジフィックスL 1 : 水 2

印画紙処理の場合は スーパーフジフィックスL 1 : 水 3

です。

  • スーパーフジフィックスL 145ml + 水 290ml

水洗促進剤➡富士QW

硬膜定着液を使う時だけ、使用していました。

最近は全く使っていません。使う時といえばFB(バライタ)のモノクロ印画紙にプリントした時だけです。

富士QW 1袋を水 2Lに溶いて使用液とします。

  • 富士QW 435ml

左:富士QW 右:ドライウェル

水滴防止剤➡ドライウェル

締めはこれがないと!ですよね~!!

ドライウェル 5mlを水 1Lに溶いて使用液とします。

  • ドライウェル 435ml

現像手順

現像浴(20℃) 10分30秒(最初30秒連続撹拌➡以降1分毎10秒撹拌)

停止浴(適当) 30秒(連続撹拌)

定着浴(20℃前後) 8分(最初30秒連続撹拌➡以降1分毎10秒撹拌)

水洗 約1分 2~3回水を入れ替えて流します。

水洗促進剤(適当) 約1分(最初30秒だけ連続撹拌)

水洗 約5分 流水でこまめに水を入れ替えながら、しっかり洗っていきます。

水滴防止剤 約30秒浸す

乾燥

この注ぎ口から薬品を注ぎます。

注ぎ終わったらしっかりと蓋をします。

一応、今回取り上げているのはFUJIFILM neopan acros 100での処方です。

他のフィルムを現像する場合や変化を出したい場合、液温などで現像時間が変わってきますので確認と注意が必要です。

仕上がりとまとめ

Asahi pentax kx /smc takumar 50mm f1.4 /Fujifilm neopan acros 100

スキャナーはEPSON GT-X 900。

感度100な分、かなり滑らかで粒状性がきれいに感じます。

こうして自ら現像した写真を見るわけですが、撮影時の私自身の露出のミスは抜きにして、相変わらずいいフィルムでした。

今見ても、「モノクロの写真っていいな。」と改めて感じさせてくれる。

また、自分が写真が上手になったんじゃないかと錯覚してしまう。

やっぱり1度使ってみよう!そうなってしまいます!!(笑)

そんなフィルムです。



 

 

  • この記事を書いた人

けーすみ

フィルムカメラ・フィルム写真が好きで、自宅に暗室を作りフィルム現像からプリントまでやっています。 カメラ・レンズや自宅暗室などの作例をメインに載せています。 とにかく「撮ってみて、焼いてみて。」の試行錯誤の日々です。 epilogとは「詩歌・演劇などの終わりの部分のこと。」を表す言葉で、一種の終活のように私自身がこれまで撮った写真や書いた詩、感じたモノや触れたコトに対する思いを、ブログとして綴っていこうと考えてepilog.というタイトルにしました。 私のやってきたこと・今やっていること・これからやっていくことが読者の方に少しでも有益となれば幸いです。

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