【RA-4 リバーサル①】リバーサルフィルムを自家プリントする手順と作例・初挑戦してみた感想


私の写真の最終的な着地点はプリントだと以前の記事で書かせて頂きました。

なので、もっぱらネガフィルムでの撮影。

ですが、フィルムで写真を撮っていると、やはりいろんなフィルムを使ってみたいと思うのが人間の欲というもので。

たま~にリバーサルフィルムを使った撮影も行っていました。(Fuji velvia 50が常用)

現像は町の写真屋さん。

もちろん外注となり、期日が若干かかってしまいますが、帰ってきたフィルムみてそりゃ感動しますわね!

「これ、私が撮ったのか?」と思うくらいきれいなフィルム。

ライトビュアー・フィルムスキャンで見ても間違いなく美しい。

リバーサルフィルムの醍醐味なのでしょうが、そんな自分が美しいと思ったコマを写真(紙ベース)で見たい!

しかも、デジタルを介さずにプリントされた写真を!!

そんなこと思うのもまた人間の欲というもので。

リバーサルフィルムはプリントには向かないなど諸説あります。

事実そうなのかもしれませんが、それでもいいんです。

私みたいなアナログ人間にとっては、やるだけやらしてくれ!プロセスだけでも楽しませてくれ!!(うん。ご自由に。)

はい。ありがとうございます!やらせて頂きます!!

ということで、今回は私が前々からやってみたかったこと。

リバーサルフィルムを自宅暗室でプリントする!

これについて書いていきたいと思います。

導入

反転について

さてさてどうやるかね?

引き伸ばし機にリバーサルフィルムをセットし、ネガ用の印画紙にポジ像を露光して通常のRA-4処理したらネガ像の写真が出来上がります。

どういうことかと申しますと...

久しぶりに絵を描きました。下手ですが、ご勘弁。

RA-4で使う印画紙は、通常ネガフィルムをプリントするために作られていて、ネガフィルムの像を引き伸ばし機のカラーダイヤルで色の調整をして印画紙に露光。

その印画紙をRA-4 発色現像液・漂白定着液で処理することで反転し、ポジ像になるというのがセオリーのプロセスです。

なので、ポジ像をセットして引き伸ばし機で照射した印画紙をRA-4 現像処理すると、色が反転してしまうのでネガ像の写真が出来上がってしまうというのはイメージできるかと思います。

そう。雑に言ってしまえば、RA-4 現像処理の工程で色が反転してしまうということです。

つまり、プリントの流れのどこかの工程で、1度ポジ像をネガ像へ反転させRA-4 現像処理に突入させなければならないということです。

そう。それをまずどうやるかという話。

ピカーン!私、考えました!!

良いとは言えない頭で考えて、たどり着いたのはこの2つ。

  1. いろいろなフィルターを駆使して、引き伸ばし機で露光する光を反転させる
  2. いろいろな薬品を駆使して薬品で反転させる

1.の場合

光の三原色(赤・緑・青)や色の三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)のフィルターを組み合わせて使えばいけるのではと考えました。

また、テレビや携帯の液晶などに使われている偏光フィルムや偏光フィルターを使って反転できないかなとも考えました。

2.の場合

最初からこちらの方が有力な線だったのですが。

なぜかって?

そもそもリバーサルフィルムの現像はどうやってやっているのか?

これに着目してみると、E6現像とやらが標準としてありまして、他にもいろいろあるみたいですが、とにかく1度反転させるんです。

この工程を印画紙の段階でもってこれれば可能なのではないか。

こう考えたわけですね~!

まず、私が考えたのは光自体を反転させること。

なぜ先にこちらを考えたかというと、これができれば使うバットや薬品は今まで通り。RA-4現像処理(発色現像液・漂白定着液)のみでOKです。

私が常用している印画紙はもちろん、現在このような自家プリントに用いられるたいていの印画紙は、基本的にネガフィルムをプリントするために作られているので、光自体を反転させた方が色の再現性もよいのではないかと考えました。

また、薬品を駆使するやり方で何度も薬品に浸さなければならなくなった時の印画紙への影響などを考えると、光の段階で反転させた方が効率がよく無駄が無い!こう考えたわけですね~!!

結論からいいます。

無理でした。

私の良いとは言えない頭で縦横無尽に考えてやってみましたが、無理でした。

ただ、このやり方を諦めたわけではありません。

もう少し器材(カラーフィルター、偏光フィルターなど)を揃えて再挑戦です。

なので、結局2の方法になってしまいました。

RA-4 リバーサルとは

Google先生で調べているとウェブサイトやSNSなどにも載っていた、RA-4 リバーサルという方法を用いて今回はやってみたいと思います。

この手法、海外では結構有名というか知られているようで、検索したら英文表記のウェブサイトがたくさんでてきました。

もちろん日本でも知ってるよ~!やってるよ~!!て方、たくさんおられると思いますが、私は海外の方のやり方を今回は参考にさせて頂きました。

私がRA-4 リバーサル プロセスについて、いろいろと教えて頂き参考にさせてもらったFaceBookのページ。

Vincentさん[@Vincent Blue Delsupexhe (Blues Rules)]のアカウントをのせておきます。

めちゃくちゃ素晴らしい方で、紹介していいか尋ねたところ、快くOKしてくれました。

Thank you so much!!

この方のウェブサイト(こちら)も非常に興味深く面白い記事が書かれていますので、興味のある方は是非とも見てみて下さい!!

本来はピンホールカメラや大判カメラなどを用い、RA-4でプリントできるカラー印画紙を真っ暗な中でセットし、そのままポジ像を撮影。

その印画紙を現像処理していくというのがそもそものもともとらしい。

しかし、私の場合は手持ちの35㎜判や中判カメラにリバーサルフィルムをつめて撮影し、現像されたリバーサルフィルム(ポジ像)の1コマを引き伸ばし機を用いて印画紙に露光。

そして、現像処理を行い、1枚の写真(ポジ像)にしていこうというわけなんです。

いずれにせよ、印画紙に最初に当たる像はポジ像。

同じなんでいけるんじゃな~い!てな風に思ったわけですね~!!

んでまた、この現像というのが若干変化球で。

ざっと書かせて頂きますが...

モノクロ印画紙現像液 1分

停止液 約30秒

ここで部屋のライトをつけます(ソラリゼーション)

ソラリゼーションとはなんぞや?という話になってきますよね~!

私もこんな手法があるなんて初めて知ったんですが、要は現像処理工程中のフィルムや印画紙にたくさんの光を当てると色が反転するという現象らしくて、その現象を利用して1枚の写真を創造していくよ!っていう手法らしいです。

詳しいことはWikipediaさんのこちらでお願いします。

てことで、むしろライトをつけないといけないらしい。

この段階で薄っすらモノクロのネガ像が出てきているのが確認できます。

左:ライトON 右:ライトOFF

ライトを点けたら真っ黒に、ライトつけずに現像処理したらネガ像の写真になりました。

この結果は停止処理後のライトを点ける工程で、何らかの作用が働いていることがわかります。

ただ単に感光してしまった可能性も無きにしも非ず、なんですがね。

現像は停止しても、感光は停止しないということなんでしょうか?

どういうことか分かりませんが、とにかくこれが!ソラリゼーション!!

まぁこれでは個人的に納得いきませんので、先行き不安であります。(※後々はちゃんと出るようになります。)

とにかく!勇気をだしてライトを点けてみましょう!!

そして、ここからはライトをつけて作業します。

水洗 約1分 しっかり水洗する

RA-4 発色現像液 45秒~1分

RA-4 漂白定着液 45秒~1分

水洗 約2~3分

というのが一連の流れ。

「論より証拠」ということで、とにかくやってみましょう!

実践①

準備するもの

薬品以外は、基本カラープリント①で使用した機材と変わりませんので、そちらをご覧あれ~!

アナログプリントの作例見本
【カラープリント①】 自家プリントにおける機材・薬品の紹介、プリント手順と作例

水仙が咲き、菜の花が咲き、そして桜が咲き始めました。 熊本にも高森峠千本桜、市房ダム、立岡自然公園な ...

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薬品

  • モノクロ印画紙現像液 Fuji コレクトールE

今回はとりあえずお試しということで、半年ほど前に作っておいたものを少しだけ拝借。

原液 1 : 水 1で希釈したもの。


  • 停止液 富士酢酸

こちらもFuji コレクトールEと同様、以前作っていたものを拝借。

水 1Lに富士酢酸 30ml入れて処理液としたもの。

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  • Kodak エクタカラー RA-4 発色現像液

新しく1L作成。

コダック|Kodak エクタカラーRA発色現像スターター (1.2L)[EKTARADEVST1.2L]
コダック|Kodak エクタカラー RA 発色現像補充液 RT (10L)


  • Kodak エクタカラー RA-4 漂白定着液

新しく1L作成。

パートaのシールが剝がれています。

沈殿もしています。でも使っていきます。

コダック|Kodak エクタカラー RA 漂白定着補充液 (10L)

印画紙

  • Fuji CA 英文オランダ製 102×186m(光沢)

186mあるので真っ暗の中、KGサイズにカットして使っています。

いつもお世話になっている写真創庫さんより。

さてさて、準備は整いました。

いざっ!!

プリント

今回プリントしていくのはこの1コマ。

私が以前飼っていた愛犬・チェリー。

FUJICHROME Sensia Ⅲ 100というリバーサルフィルムで撮影しました。

このフィルムも今は販売終了しています。

最初ということなのでお手柔らかに。

照射する像はポジ像なので、引き伸ばし機(LUCKY QE69)のカラーダイヤルはとりあえずC:0 M:0 Y:0でプリントしていきます。

絞りはf8、露光時間は1~10秒を行ったり来たりしました。

おさらいとなりますが、現像処理は...

モノクロ印画紙現像液 1分 約20℃

停止液 約30秒 適当

ソラリゼーション

ここからはライトをつけて作業します

水洗 約1分 しっかり水洗する

RA-4 発色現像液 45秒~1分 約35~38℃

RA-4 漂白定着液 45秒~1分 約35~38℃

水洗 約2~3分

乾燥

見て下さい!この美しき光沢を!!

一瞬、カラスヘビかと見紛うばかりの、真っ黒な印画紙を量産致しました。

停止処理後のライトを点けた段階では、薄っすらとモノクロのネガ像がでているので「今回はいけるかな?」なんて思いを馳せながらRA-4 発色現像液に浸すのですが、結果は真っ黒。

もうここまできたら笑うしかないですし、やけくそですわ!!

それまで使用していたFuji コレクトールEに、即興で5、6年前に買ったILFORD MULTIGRADE DEVELOPERを適当に入れてやりました。

左:5秒 中:10秒 右1秒

功を奏しました!

でてる、でてるー!!

データとしてはなんの参考にもならないしかなり暗いのですが、少しだけ像がでてる!!!

停止処理後、ライトを点け確認した際、今までにない結構しっかりめのモノクロのネガ像がでていました。

しっかり水洗し、RA-4発色現像液・漂白定着液での処理を行うと、今までのカラスヘビ写真とは明らかに違うプリントが得られました。

一応、露光時間1秒、5秒、10秒と試しましたが、結局は全体的に薄暗い感じは変わらず、5秒で焼いた写真が「う~ん、まぁ。」という感じ。

1秒と10秒のプリントを比較したところ、それほど大差ないですが少しだけ10秒の方が明るく感じます。

ただ、色は反転していますが写真はかなりノイズというか粒状性がひどいことになっています。

解決しなければならないことが続々とでてきますね~!一難去ってまた一難!!笑

まぁとりあえずとりあえずでやってきて、なんとなく像がでたので御の字です。

全体的に詰めて、再度プリントに臨みます。

前プリントからの考察

考えられる原因

前回記事終盤でどうのこうのポジ像が得られたのですが、原因はモノクロ印画紙現像液にあると書きました。

カラープリントするのにモノクロ印画紙現像液が重要になってくるとは。

しかし、真っ黒の写真を量産しています。

像がでる時と出ない時の違いはなんなのか、ノイズや粒状性・色味の改善など、よりよい写真をプリントしていくには精度はもちろん、考えなければならないことがたくさんあります。

ざっと書き出していきますが...

懸念材料として

  • 引き伸ばし機の露光が長すぎたもしくは短すぎた

➡いつものネガフィルムをプリントする感覚で露光時間を設定した

通常だと露光時間が短いと明るくなるが、反転させるので露光を長くした方が明るくなるのか検討が必要


  • モノクロ印画紙現像液の液温が低かったもしくは劣化していた

➡そのためしっかりと反応しておらず必要な像が出なかった


  • モノクロ印画紙現像液の濃度が薄かった

➡そのためしっかりと反応せず必要な像が出なかった


  • そもそもFuji コレクトールEではできないのか?

➡ILFORD MULTIGRADE DEVELOPERを入れた途端に像がでたため

濃度の問題なのか?成分の問題なのか?


  • 停止液の液温が低かったもしくは劣化していた

➡そのため停止液の効きが悪く、停止処理後のライトをつけた段階で感光してしまった


  • ソラリゼーションといわれる現像途中でライトをつける処理で家のLEDライトが明る過ぎたもしくは色温度が高過ぎた(白過ぎた)

➡関係はあるのか?あるならどれくらいの色温度又は明るさがベストなのか?


  • RA-4発色現像液・漂白定着液の液温が低かったもしくは劣化していた

➡そのためしっかりと反応せず必要な像が出なかった

その対策と試行

私が気になったのはこのくらい。あとは、1つずつ潰していくのみ。

まずRA-4発色現像液・漂白定着液は毎回作り直しているため、ここに原因はないだろうと踏みました。

ソラリゼーションはだいたいの目安1~1分半くらいを目処にLEDライト下(白く明るい)と電球色(オレンジっぽく若干暗い)のライト下で試しましたが、それほど、大きな違いは見られませんでした。

ほとんど薄黒い写真になってしまったんですがね!笑

現状、気分的に電球色のライト下でやっています。暗室感が感じられますからね~!!

それからというもの、RA-4 漂白定着液に浸してから部屋のLEDライトを点けるようにしています。

停止液に関しては、通常でも濃度を倍にしてもさほどわかりません。

「よし止まってる!」とは確認できませんから。

ですが、この工程はたぶんだいたい通常濃度で止まってます。なので、私は通常濃度でいきます。

心配なら濃度を上げたらいいだけで。その判断はおまかせします。

露光時間については前回記事のデータだけでは不透明過ぎるので、今回もプリントしながら検討していきます。

合わせて今回はカラーダイヤルも使っていこうと思います。

モノクロ印画紙現像液に関しての懸念材料が多かったので、新しく作り直しました。

といっても、もう5、6年近く放置していたILFORD MULTIGRADE DEVELOPERなんですがね。

蓋はしっかり閉めていたし大丈夫!ということで処理液を作り、プリント開始!!

モノクロ印画紙現像液は液温も20℃くらい。

さて、どうでる!?

実践②

処理手順は前回と同じです。

モノクロ印画紙現像液だけ少し変えてやってみます。

ILFORD MULTIGRADE DEVELOPER

前回、この薬品を投入してから像がでだしたので今回は最初からこの薬品で、尚且つ倍の濃度でいってみたいと思います。

本来 原液 1 : 水 9 ➡ 今回 原液 1 : 水 4

  露光時間 絞り C : M : Y ソラリゼーション
上段左 1秒 f8 0 : 0 : 0 電球色のライト下で1分
上段中 1秒 f8 0 : 0 : 0 電球色のライト下で1分
上段右 2秒 f8 0 : 95 : 135 電球色のライト下で1分
下段左 1秒 f8 0 : 50 : 60 電球色のライト下で1分
下段左中 1秒 f8 0 : 50 : 60 電球色のライト下で1分
下段右中 2秒 f8 0 : 50 : 60 電球色のライト下で1分
下段右 3秒 f8 0 : 50 : 60 電球色のライト下で1分

※プリント順です。

処理液が元気な時はレスポンスもいいですね~!

☆重要

気になったのは上段中と上段右の色の違いです。

この時はまだ液がかろうじて元気なようで、カラーダイヤルの設定に則した仕上がりになっています。

ネガフィルムをプリントする時は、イエローもしくはマゼンタが強いと思ったらカラーダイヤルのイエローもしくはマゼンタの数値を増やしてあげるというのが定石でした。

詳しくは以前の記事、カラープリント①のセッティングのところを見て頂けたら幸いです。

アナログプリントの作例見本
【カラープリント①】 自家プリントにおける機材・薬品の紹介、プリント手順と作例

水仙が咲き、菜の花が咲き、そして桜が咲き始めました。 熊本にも高森峠千本桜、市房ダム、立岡自然公園な ...

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しかし、このリバーサルフィルムをRA-4 リバーサル プロセスでプリントする場合においては、色がそのまま足されてしまうということがわかりました。

その理由に、上段中のC0 : M0 : Y0だと青っぽい仕上がり、上段右のC0 : M95 : Y135だとそのままM(マゼンタ)とY(イエロー)が足されて赤黄色い写真に仕上がっているのがわかります。

途中までよかったのですが、また黒くなって参考にならなくなってきたので、ILFORD MULTIGRADE DEVELOPERを今度は通常濃度で作り直します。

  露光時間 絞り C : M : Y ソラリゼーション
4秒 f8 0 : 20 : 30 電球色のライト下で1分
3秒 f8 0 : 20 : 30 電球色のライト下で1分

※液温は約26~28℃

※ここまで使用した印画紙はFuji CA 英文オランダ製 102×186m(光沢)です。

前回とは打って変わって、いい感じじゃない!なにより明るい!!色もしっかり反転していますし、かなり忠実に出ています!!!

濃度ではなく、ただ単に現像液の劣化が原因だった模様。

やはり開封して5、6年は蓋をしててもだめなようです。(当たり前!)笑

とにかく、新しく作ってもプリントできなくなるのが早い気がします。

液温は25℃くらいあった方がいいんじゃないかと思うような仕上がりになりました。

☆重要

そして、このプリントで分かったことがもう一つ。

露光時間3秒より4秒の方が明るく仕上がっているということです。

通常のネガフィルムをプリントする手順ですと、露光時間を延ばせばプリントは黒くもしくは色が濃くなっていきます。

しかし、このリバーサルフィルムをRA-4 リバーサル プロセスでプリントする手順ですと、露光時間を延ばせば延ばすほど明るくなっていくということです。

ということで、このサイズの印画紙にこのカラーダイヤルの設定・絞り、処理薬品の状態、その他もろもろ考慮した結果、とりあえず今回は3秒が適正露光時間だということがわかりました。

相も変わらず、ノイズ・粒状性は気になります。

本来のやり方である大判カメラやピンホールカメラに印画紙をセットするやり方ではなく、リバーサルフィルムを引き伸ばし機で照射するやり方なので、若干光自体の性質にも差がありそれが関係しているのか?もしくは薬品が原因?紙自体が原因?いろいろと原因は考えられます。

なので、他の印画紙でもプリントしてみることにしました。

しっかりした像もでてきたしテンションも上がったので、ここで一旦本番ということを兼ねて。

印画紙 FUJIFILM フジカラープロフェッショナルペーパー Pro-G 六切にプリントしてみようと思い立ちました。

  露光時間 絞り C : M : Y ソラリゼーション
9秒 f8 0 : 20 : 30 電球色のライト下で1分
9.2秒 f8 0 : 20 : 30 電球色のライト下で1分

  露光時間 絞り C : M : Y ソラリゼーション
10秒 f8 0 : 10 : 10 電球色のライト下で1分
10秒 f8 10 : 0 : 0 電球色のライト下で1分

色味も若干イエロー・マゼンタが強いように感じます。

まぁ原版のフィルムスキャン画像もこんな色味だったので、案外忠実に再現されているのか?

それにしても、現像ムラがやばいことになっています。

しかし、ノイズ・粒状性は気にならなくなりました。

ノイズ・粒状性は印画紙に原因があったようです。

これもまた古くなってしまったからでしょうか。

正直、この印画紙を購入したのはそれほど前ではありませんし、それでいうと六切の方がずっと昔に購入したものになるんですがね。

まぁとにかく気にいったコマはプロフェッショナルペーパーでプリントすることにします。

露光時間10秒 絞り 8 C20 : M0 : Y0 ソラリゼーションは電球色のライト下で1分

再度、Fuji CA 英文オランダ製 102×186m(光沢)でテストプリントしたところ、また像が黒くなり始めたのと現像ムラも気になるので、またまたモノクロ現像液を作り直します。

Fuji コレクトールE

上:できた手ほやほや 下:少し落ち着かせて

  露光時間 絞り C : M : Y ソラリゼーション
上段左(原液使用) 10秒 f8 0 : 0 : 0 電球色のライト下で1分
上段左中(以下1:1希釈) 10秒 f8 0 : 0 : 0 電球色のライト下で1分
上段右中 9秒 f8 0 : 20 : 30 電球色のライト下で1分
上段右 9秒 f8 0 : 20 : 30 電球色のライト下で1分
下段左 5秒 f8 0 : 20 : 30 電球色のライト下で1分
下段左中 3秒 f8 0 : 20 : 30 電球色のライト下で1分
下段右中 1秒 f8 0 : 50 : 60 電球色のライト下で1分
下段右 2秒 f8 0 : 50 : 60 電球色のライト下で1分

※液温は上段は30~40℃くらいありました。なにせ作りたてでしたので。

※下段は少し時間をおいて28~30℃くらいを保ってプリントしてみました。

次はFuji コレクトールEを新しく作り直してプリントしてみました。

前回のプリントの結果から、この現像液でできるのか疑問に思っていましたが速攻で払拭されました。

上段左端だけ原液で、あとは 原液 1 : 水 1 で希釈した処理液を使用。

最初から希釈した処理液でやって像がでず「この現像液では濃度が足りませんでしたー!」ではなんとなく不完全燃焼ですしなんか気持ち的にもったいないので、保険かけて一度原液で試しました。

普通にプリント可能!!

できたてほやほやで参考になりそうになかったので、少し時間を置きました。

それでもまだ参考になるかどうか。

なぜかって?

六切サイズを想定してテストプリントしているのに、普通にKGサイズをプリントする露光時間より短いとはどういうこっちゃ!?

少し話が逸れますが、通常プリントサイズが大きくなれば引き伸ばし機のヘッドがの位置は高くなります。

ヘッドが高くなるということは、光源から印画紙までの距離が離れるので、おのずと露光時間は長くなるというのはイメージできるかと思います。

小さい印画紙にプリントする際はその逆で、ヘッドが低くなり光源と印画紙の距離が近くなるので露光時間は短くなる。

もちろん、絞り値や薬品の液温・濃度などが同じ条件下に限ったことになりますがね。

今回のように作りたての処理液で液温が高かったりすると参考にならないデータをたたき出してくるので注意が必要です。

新しく作った時は半日ほど置いた方がいいかもしれません。その方がデータがとりやすかも。

話を元に戻しましょう!

若干青い気もしますし、細部の色が忠実に再現されていません。

青が気になったので、途中からカラーダイヤルの値を変えています。

が、それにしても青い。

このプロセスのFuji コレクトールEの仕上がりはこんな感じになるのかな?

露光時間2.4秒 絞り f8 C0 : M50 : Y60 ソラリゼーションは電球色のライト下で1分

とりあえず、本日集大成の一枚。

やはり青い。

ILFORD MULTIGRADE DEVELOPERではここまで青が強くなかったし、むしろ黄色が強く感じられましたけど!!

処理液の状態が問題なのか?使うモノクロ印画紙現像液で仕上がりが変わってくるのか?

もし変わってくるのであれば、それぞれのモノクロ印画紙現像液ごとの色味の違いと、どのモノクロ印画紙現像液がこのプロセスにおいて扱いやすく適しているか?

また、それぞれのモノクロ印画紙現像液で仕上がりの色味が異なるのであれば、その色味はカラーダイヤルで調整できる範囲なのか?

それらを次回、検証していきます。

本日はこのへんで。

Good night!!

続きはこちら



 

 

  • この記事を書いた人

けーすみ

フィルムカメラ・フィルム写真が好きで、自宅に暗室を作りフィルム現像からプリントまでやっています。 カメラ・レンズや自宅暗室などの作例をメインに載せています。 とにかく「撮ってみて、焼いてみて。」の試行錯誤の日々です。 epilogとは「詩歌・演劇などの終わりの部分のこと。」を表す言葉で、一種の終活のように私自身がこれまで撮った写真や書いた詩、感じたモノや触れたコトに対する思いを、ブログとして綴っていこうと考えてepilog.というタイトルにしました。 私のやってきたこと・今やっていること・これからやっていくことが読者の方に少しでも有益となれば幸いです。

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