【カラープリント⑦】自宅暗室で現像したカラーネガフィルムを自分の好きな比率でパノラマ写真(縦長もしくは横長)のプリントを作成する方法と作例


どうも、けーすみ(@ksumisan)です。

先日、ネガスキャンした画像を眺めていると、たまたま細長い形でスキャンされた画像があったんです。

あぁいいなぁ。

って思ったんです。

で、パノラマサイズのことをふと思い出したんです。

概要

みなさん、パノラマサイズの写真ってご存知ですか?

ご存知かと思いますので、今更感はありますが。

私の勝手な認識では、縦長もしく横長の写真をイメージしております。

厳密にいうときちんとした寸法があるようで。

一般的なパノラマサイズは89mm×254mmらしいです。

まぁ一般的なサイズに捉われず、自分好みというかこれくらいがちょうどいいんでなはないかという感じで、自由に縦長もしくは横長にプリントしてみようと思います。

パノラマ(縦長もしくは横長)の写真をプリントする方法

引き伸ばし機はKGサイズ(102mm×152mm)をプリントする設定のまま、パノラマ(縦長もしくは横長)にプリントするには、二通りの方法が考えられます。

一つは、KGサイズで普通にプリントし、必要部分だけ残すようにカットする。

もう一つは、そのコマのプリントしたい部分の縦と横の長さを計り、イーゼルマスクをその数値に設定し、そのイーゼルマスクをプリントしたい部分にもっていきプリント。

あとは、余白が気になる方は余白をカットする。

これらの方法でも構いませんが、余白部分はもったいないですし、必然的に最大値が102mmか152mmになるので、基本的にプリント自体も小さくなります。

そうなると、なんかいろいろともったいない感じがします。

なので、短辺は102mmで、長辺を自由に伸ばしていこうと思います。

KGサイズ(102mm×152mm)のfuji CAペーパーのロールがかなり残っているからというのは、ここだけの話。

印画紙をカットする

カラー印画紙を切る作業は、当たり前ですが真っ暗な状態で切ります。

今回、プリントするコマを選び、これくらいがいいんじゃないかと私が考えたサイズが二通りありますので、そのサイズでカットしていこうと思います。

カットする印画紙は、ロールのfuji CAペーパーの102mm×186m。

いつもKGサイズ(102mm×152mm)でカットしているやつです。

186mあるのでかなりの枚数切り出せます。

前述した通り、正直なかなか使いきれません。

さておき、今回は102mm×178mm・102mm×254mmの二種類の印画紙サイズで切り出していこうと思います。

102mm×178mm

印画紙サイズの比率でいうと1:1.8くらいになるのかな?

余白を上下左右5mmずつとりたいので、実際の画面サイズは92mm×168mm。

KGサイズが102mm×152mmなので、それほど変わらないのではと思いますが、プリントしてみて、案外私はこのサイズの方がしっくりくる感じがしました。

102mm×254mm

最終的な印画紙の大きさは、102mmくらい×254mmにします。

このサイズだと、手持ちの印画紙から切り出す方法としては3つ。

  1. ロールのfuji CAペーパー(102mm×186m)を102mm×254mmにカットする
  2. 六切の短辺(203mm)を半分に切って102mmくらい×254mmにします
  3. 四切の長辺(305mm)を三等分する。

2と3は、もしフジカラープロフェッショナルペーパーで、切り出そうと考えた場合です。

いいのがあったらフジカラープロフェッショナルペーパーの方でもプリントしてみようという魂胆です。

切りしろ等ありますので、おおよそ102mmくらいとしときます。

まぁどのカット方法でもよいと思います。

他にも切り出す方法はあると思いますが、手持ちの印画紙(六切と四切しかもっていない)で、私なりに考えた最も印画紙を無駄にしないんのではないかと考えたカット方法です。

他にも「こんなカット方法もあるよー!」ていう知恵のある方は、ご教授頂けるとすごく嬉しいです。

印画紙サイズの比率でいうと1:2.5くらいになるのかな?

余白を上下左右5mmずつとりたいので、実際の画面サイズは92mm×244mm。

パノラマ(縦長もしくは横長)の写真をプリントする手順

引き伸ばし機についてはこちら。

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その他プリントに関する必要機材・手順等はこちらの記事に書いています。

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おおよその露光時間の算出方法はこちらの記事に書いてますので、目を通して頂けると嬉しい限りです。

Canon p /Canon 50mm f1.8 lmount /Kodak ultramax 400
【カラープリント③】ネガフィルムを自宅暗室でプリントする際の引き伸ばし機の高さと面積と露光時間の関係性の検証と同じコマを異なる印画紙でプリントする際の私なりの露光時間の算出方法

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引き伸ばし機の高さを2 倍にすれば面積はほぼ4 倍になるので露光時間も4 倍になります。

[引用元:Wikibooksのこちらのページを参考にさせて頂いております。]

長辺の長さを基準にして、面積を算出し、それをもとに露光時間を算出していきます。

102mm×178mm

Olympus om-1 /olympus om-system zuiko mc auto-s 50mm f1.4 /fuji superia premium 400

asahi pentax kx /smc takumar 50mm f1.4 /fuji superia premium 400

余白は上下左右5mmずつを考慮して、実際の画像となる部分のサイズは、、、

KGサイズ 92mm×142mm=13064

35mm判のフィルムサイズの比率は 2 : 3 。

パノラマという性質上、長辺を基準にするので、、、

2 : 3 = a : 168mm

a = 112

102mm×178mmサイズ 112mm×168mm=18816

となります。

あくまで引き伸ばし機の照射面積の話なので、どのみち短辺は切れますが。

18816÷13064=1.44029.....

まぁだいたい面積が1.44倍くらいということで、KGサイズの時の露光時間を1.44倍すれば、102mm×178mmサイズのおおよその露光時間がわかるという流れになります。

1.4秒×1.44=2.016

ということで、露光時間は2秒でいきます。

以下、同様の計算で露光時間を算出します。

とりあえず、テストプリントしたところよさそうだったので本番プリント。

左 KGサイズ   f 8   露光時間 1.4秒  C:0  M:40 Y:60   右 102mm×178mmサイズ f 8   露光時間 2秒  C:0  M:30 Y:60

左 KGサイズ f 8   露光時間 12秒  C:0  M:50 Y:70   右 102mm×178mmサイズ  f 8   露光時間 17秒  C:0  M:50 Y:70

102mm×254mm

asahi pentax kx /smc takumar 50mm f1.4 /fuji superia premium 400

pentax mz-5 /smc pentax-a zoom 70-210mm f4 /fuji 業務用 400

余白は上下左右5mmずつを考慮して、実際の画像となる部分のサイズは、、、

KGサイズ 92mm×142mm=13064

上記と同様に、35mm判のフィルムサイズの比率は 2 : 3 。

パノラマという性質上、長辺を基準にするので、、、

2 : 3 = a : 244mm

a = 162.66666.....

102mm×254mmサイズ  162.667mm×244mm=39690.748  (適当に切り上げしています。)

こちらもまた、あくまで引き伸ばし機の照射面積の話なので、どのみち短辺は切れますが。

39690.748÷13064=3.03817.....

だいたい面積が3倍くらいということで、KGサイズの時の露光時間を3倍すれば、102mm×254mmサイズのおおよその露光時間がわかるという流れになります。

※案外、KGサイズの実際の画像となる部分のサイズの比率は35mm判のフィルムサイズの比率に近いので、KGサイズの実際の画像となる部分のサイズで計算しています。

※多少の誤差はご容赦ください。

左 102mm×254mmサイズ  f 8   露光時間100秒  C:0  M:50 Y:70  右 KGサイズ  f 8   露光時間 12秒  C:0  M:50 Y:70

このコマだけ短辺が基準です。

2 : 3 = 244mm : b

b=366mm

引き伸ばし機の照射面積は244mm×366mm=89304

89304÷13064=6.83588.....

12×6.83588.....=82.03061.....

※間違えて100秒で露光してしまいました。

通りで若干暗くプリントが仕上がったわけですね。

※こうするくらいなら、初めから縦位置で撮りなさいよっちゅう話なんですがね。

上 102mm×254mmサイズ f 8   露光時間7秒  C:0  M:50 Y:70    下 KGサイズ  f 8   露光時間2.4秒  C:0  M:50 Y:70

 

まとめ

薬品の液温や酸化・劣化等で色味に違いがありますが、今回はそこは置いときます。

結論は、縦長もしくは横長にトリミングしただけという。笑

でもまぁこれはこれで。

一応、パノラマということで。

そういうことにしとこう。笑

今回は上記のサイズでカットしプリントしましたが、正直サイズ選択は自由です。

現に、次回は違うサイズでもやってみようと思っていますし。

現存している印画紙のサイズと引き伸ばし機の照射範囲の許す限り、サイズ選択の自由度はあると思います。

見慣れたサイズの写真もいいですが、いつもと違ったサイズでプリントするのもたまにはいいかもしれません。

写真の雰囲気ががらりとかわる場合もありますんで、それもまた写真を楽しむ1つの方法かなと思います。

自宅暗室、かつ自分でプリントするので、いろんなことができちゃいます。

やり方次第でいろいろな楽しみ方ができる、自宅暗室の醍醐味かなと思います。

今回もその一例として。



 

 

  • この記事を書いた人

けーすみ

フィルムカメラ・フィルム写真が好きで、自宅に暗室を作りフィルム現像からプリントまでやっています。 カメラ・レンズや自宅暗室などの作例をメインに載せています。 とにかく「撮ってみて、焼いてみて。」の試行錯誤の日々です。 epilogとは「詩歌・演劇などの終わりの部分のこと。」を表す言葉で、一種の終活のように私自身がこれまで撮った写真や書いた詩、感じたモノや触れたコトに対する思いを、ブログとして綴っていこうと考えてepilog.というタイトルにしました。 私のやってきたこと・今やっていること・これからやっていくことが読者の方に少しでも有益となれば幸いです。

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